合成燃料 ドイツ自動車のポルシェが南米チリで合成燃料 Efuel を製造するそうです。 電気自動車一辺倒の政策を反省し合成燃料使用の難燃機関ならばCO2低減に貢献するはずとの 理屈です。メリットはH2を現地で製造CO2との化合で合成燃料を生産した後は従来の石油製品輸送インフラが そのまま使えることです。 デメリットは変換効率がまだ低いことです。 ただ需給調整が困難な風力・太陽光など自然エネルギーの バッファとしての機能は注目に値します。より大規模に生成プラントができ、低廉な合成燃料ができればおぼ問題は解決します。 ただ無人の荒野でCO2の供給はいかにしようとしているのでしょうか? 我が国は石油供給先の分散、枯れた技術である石油インフラの活用、海運業の活用など関心がもてる方向性であります。
オッペンハイマー 映画「オッペンハイマー」を見ました。 今から20年ほど前に「オッペンハイマー」を読んでいたので その映画版を確認したような形です。ビッグサイエンス「マンハッタン計画」のリーダーであり 当代随一の物理学者であった彼。またマッカーシズムの嵐にもまれた被害者。政治に翻弄された彼。 アインシュタイン、フェルミ、ハイゼンベルク、シラー、ニルス・ボーアと綺羅星のような物理学者たちの登場が魅力的でした。 広島・長崎に関しては既知の話でしたが、やはり当時の政策決定者には責任があると思います。 核実験の際に核分裂が空気ににも連鎖してゆくのではの恐れは今回初めて聞きました。 確かに空気中に核分裂が連鎖するようなことがあれば即時にこの世の終わりですね。 正に地獄の窯の蓋を開けるに等しい行為です。 理論計算だけでは信用がおけず万が一そんなこともあり得るかも疑念も理解できます。 フェルミのシカゴ大学テニスコート下の黒鉛減速炉の臨界試験も興味深かったです。 ”オッピィー”と同僚たちが彼の成功をたたえるシーンも感動的です。 自分は原子力工学の出身なので幾分基礎知識があってより興味が持てたのかもしれません。 昔「ダビンチ・コード」を見た時にも”三位一体”とか”聖杯”の意味をよく理解していたらもっと面白かったのだろうにと 思ったものです。 楽しむためにも踏み込んだ知識があると良いですね。 参考リンク 映画『オッペンハイマー』公式サイト オッペンハイマー 上 「原爆の父」と呼ばれた男の栄光と悲劇 単行本